まだ小さいころの話です。そうですね、小学校に入ったばかりのころでしたか、この日本に格闘技ブームが起きたように記憶しますが、どうでしょうか。確か最初にそれを感じたのは、香港の映画スターの出現でした。カンフーブームというもの。ただ、僕がこの映画スターを知ったときには、すでにこのスターは亡くなっていましたが。ブルースリーはいまだにアメリカなんかでもアイコンスターとして崇められています。

でも、ブームはなかなかだったようです。日本のテレビ番組でも、けっこうこの類いのものが放送されていましたから。それから空手マンガやアニメです。これも爆発的な人気でした。僕も夢中になりました。この時期には空手や柔道、拳法などの道場に通う少年たちが増えたことは言うまでもありません。この僕もそんな一人ですから。

アントニオ猪木とボクシングヘビー級チャンピオンのアリとの一戦も燃えましたね。異種格闘技はまさに自分のプライドを賭けた一戦でした。今はこういうひりつく様な戦いはないのでしょうか?

 最近は物騒な世の中ですから、女性でも護身のために格闘技の類を習っている人は多いようです。そういった人たちがどういう指導を受けているのか分かりませんが、勘違いをなさっている人も結構多いようです。格闘技で護身技の一つも習っておけば、暴漢を撃退できると安易に考えているようですが、そう簡単には行かないでしょう。

 相手が大の男であれば、素手であってもそう簡単に制することができる物ではありません。ましてや刃物でも持っていれば、格闘技の上級者でも容易には対応できないのが実情なのです。対武器の型などで、刃物の取り上げ方などの技を披露しているテレビをよく見ますが、あんな綺麗にうまくいくことなど、実際の話、ほとんどありません。護身術は、あくまで急所を一撃し、すぐに逃げるための緊急手段と心得るべきではないでしょうか。

 もし、護身という事を考えるなら、格闘技を学ぶよりも、助けを呼ぶための大声を出す練習と、逃げ足を鍛えるために走る練習をしておくのが最も実践的ではないかと思います。その上でできるだけ危険な場所には行かないと言う事に尽きるのではないでしょうか。生兵法は怪我の元と言いますが、怪我だけではすまない事にならぬよう、十分注意が必要ですね。宮本武蔵みたいな剣豪でも必ず勝てるような戦いだけに臨んでいたそうです。

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